「避難所はどんな種類があるの?」
「緊急避難場所」と「避難所」の違いについて知りたい。
「避難所の準備の参考になる資料が欲しい」
このような気持ちを持つ人に参考になればと思います。
このような記事を書きました。
どのような避難所を目指したいか?
避難所を開設するうえで、どのような避難所を開設・運営していきたいかビジョンはありますか?当会が考える避難所は以下のような考え方が取り入れられた避難所を目指したいと考えています。
住民の自治による避難所の開設・運営
避難所は、避難所外避難者の支援も含め、地域コミュニティの場となります。発災直後には、住民自治による迅速な取組が重要となることから、避難所は原則として、住民の自主運営とします。
自分たちで運営していく場所として取り組みましょう。行政は情報統括や必要なニーズに対する支援(物資調達など)を行います。
地域の拠点としての避難所
被災者が暮らす場所だけでなく、地域の支援拠点としての役割を担う場所となるよう避難所外避難者にも配慮した拠点づくりに取り組みます。これまでの災害事例から、避難所生活の長期化は避けられないほどの大規模な災害が発生すると考えられています。避難所ではコミュニティの単位を基本とする考え方で運営しますが、避難所生活をしている人だけでなく、避難所外避難をしている人に対しても、等しく物資の供給、情報の共有等を行い、地域に住む全ての人にとっての生活再建の拠点としての場所となるような拠点作りに取り組みます。
要配慮者にも優しい避難所
避難所で生活する誰もが配慮し合い、みんなの“いのち”を大切に、関連死を予防します。要配慮者優先の意識を共有し、避難所内のレイアウトやトイレの使用を考え、避難所運営を行います。
避難場所と避難所の違いから考えていく。
平成25年6月に災害対策基本法が改正され、市町村長による「指定緊急避難場所」と「指定避難所」の指定制度が平成26年4月から施行されました。
指定緊急避難場所
災害の危険から命を守るために緊急的に避難する場所です。
災害発生時は、その災害に対応している指定緊急避難場所へ避難してください。例えば、大地震が発生し、津波の到達が予想される場合は、津波災害に対応している「指定緊急避難場所」に緊急的に避難します。
津波、洪水等、災害による危険が切迫した状況において、住民等の生命の安全の確保を目的として住民等が緊急に避難する際の避難先です。
災害対策基本法によると(以下、本節においては「法」という。)
災害が発生し、又は発生するおそれがある場合にその危険から逃れるための避難場所として、洪水や津波など異常な現象の種類ごとに安全性等の一定の基準を満たす施設又は場所を市町村長が指定する(法第 49 条の4)
指定緊急避難場所のうち、津波に係るものについては、災害対策基本法施行令(以下、本節においては「令」という。)に定める基準として、以下の2つのいずれかを満たすこととされている(令第 20 条の3)。
①津波が発生した場合において安全な区域内にあること(例:高台など)。
②津波が発生した場合において安全な区域外にある施設(例:津波避難ビル)については、以下の全てを満たすこと。
・津波により生ずる水圧等によって構造耐力上支障のある事態を生じない構造であること。
・想定される津波の水位以上の高さに避難スペースが配置され、かつ、当該スペースまでの避難上有効な階段等があること。
・地震に対する安全性に係る建築基準法等の規定に適合するものであること。
指定避難所
指定避難場所とは、災害の危険性があり避難した住民等が、災害の危険性がなくなるまで必要な期間滞在し、または災害により自宅へ戻れなくなった住民等が一時的に滞在することを目的とした施設です。
災害対策基本法では、「災害の危険性があり避難した住民等を災害の危険性がなくなるまでに必要な間滞在させ、または災害により家に戻れなくなった住民等を一時的に滞在させるための施設として市町村長が指定する」(法第 49 条の7)とあります。
さらに、指定避難所の政令による基準は、以下の全てを満たすこととなっている(令第 20 条の6)。
・被災者等を滞在させるために必要かつ適切な規模のものであること。
・速やかに、被災者等を受け入れ、または生活関連物資を配布することが可能なものであること。
・想定される災害の影響が比較的少ない場所にあること。
・車両などによる輸送が比較的容易な場所にあること。
なお、主として高齢者、障害者、乳幼児等の要配慮者を滞在させる福祉避難所等については、上記の他に以下の内容が必要となります。
・要配慮者の円滑な利用を確保するための措置が講じられていること。
・災害時に要配慮者が相談し、支援を受けることができる体制が整備されること。
・災害時に主として要配慮者を滞在させるために必要な居室が可能な限り確保されること
避難所について
避難所は大きく分けて「広域避難場所」「一時避難所」「収容避難所」とあります。「避難所」とは、自宅が被災して帰宅できない場合に、一定期間、避難生活を送るための場所です。
災害の種類にかかわらず、小学校や中学校などが指定されています。屋内の緊急避難場所のほとんどは、引き続き避難所として利用が可能です。自宅や地域の安全が確認されたら、帰宅しましょう。
広域避難場所
大火災など、大規模な避難が必要な場合でも安全なある程度の広さを有した避難場所です。学校や広い公園などが自治体により広域避難所として指定されています。また、広域避難場所までの安全な道路をあらかじめ避難路として指定しています。帰宅困難者が交通機関が回復を待つために一時的に待機するなどといった用途が想定されている。
一時避難所
災害後に一時的に様子を見るために避難する場所です。 近所の公園、公民館、神社などが一時避難所となります。
収容避難所
一般的にいう避難所であり、宿泊、食事等の仮の生活ができる避難所。 自治体によって小中学校などが指定されます。
広域避難場所のみあるいは広域避難場所と収容避難所のことを指定避難所という場合があります。 他にも避難所について違う呼び方があるかもしれません。 呼び方については各自治体によって多少違いがあります。
津波避難ビル・水害時避難ビル
津波や洪水(河川氾濫)時の緊急的な避難先で、堅固な高層建物の3階以上の階など。
福祉避難所について
福祉避難所とは、災害時において、高齢者や障がい者など、一般の避難所生活において特別な配慮を必要とする方々を対象に開設される避難所です。
福祉避難所の考え方
福祉避難所については、災害対策基本法施行令に、災害対策基本法による避難所の指定基準の一つとして、以下のように規定されている。
「主として高齢者、障害者、乳幼児その他の特に配慮を要する者(以下この号において「要配慮者」という。)を滞在させることが想定されるものにあつては、要配慮者の円滑な利用の確保、要配慮者が相談し、又は助言その他の支援を受けることができる体制の整備その他の要配慮者の良好な生活環境の確保に資する事項について内閣府令で定める基準に適合するものであること。」(災害対策基本法施行令第20条の6第5号)
内閣府令で定める基準は、次の通り(災害対策基本法施行規則第1条の9)
高齢者、障害者、乳幼児その他の特に配慮を要する者(以下この条において「要配慮者」という。)の円滑な利用を確保するための措置が講じられていること。
災害が発生した場合において要配慮者が相談し、又は助言その他の支援を受けることができる体制が整備されること。
災害が発生した場合において主として要配慮者を滞在させるために必要な居室が可能な限り確保されること。
要配慮者とは
福祉避難所の対象者として想定されているのは、法律上「要配慮者」ということになる。要配慮者は、「災害時において、高齢者、障害者、乳幼児その他の特に配慮を要する者」(災害対策基本法第8条第2項第15号)と定義されている。よって、福祉避難所の事前指定やその準備は、これらの人々を対象として備えておく必要がある。「その他特に配慮を要する者」として、妊産婦、傷病者、内部障害者、難病患者等が想定される。これらの人々は、一般的な避難所では生活に支障が想定されるため、福祉避難所を設置し、受け入れ、何らかの特別な配慮をする必要がある。
福祉避難所の利用の対象となる者
身体等の状況が特別養護老人ホーム又は老人短期入所施設等へ入所するには至らない程度の者であって、避難所での生活において、特別な配慮を要する者であること。具体的には、高齢者、障害者の他、妊産婦、乳幼児、病弱者等避難所での生活に支障をきたすため、避難所生活において何らかの特別な配慮を必要とする者、及びその家族まで含めて差し支えない。なお、特別養護老人ホーム又は老人短期入所施設等の入所対象者はそれぞれ緊急入所等を含め、当該施設で適切に対応されるべきであるため、原則として福祉避難所の対象者とはしていない。(出典:災害救助法 運用と実務 第一法規 平成26年 304頁)
上記を原則としつつも、地域や被災者の被災状況に応じて、さらに避難生活中の状態等の変化に留意し、必要に応じて適切に対処する必要がある。なお、災害時における要配慮者を含む被災者の避難生活場所については、在宅での避難生活、一般の避難所での生活、福祉避難所での生活、緊急的に入所(緊急入所)等が考えられる。
・どのような避難所を準備するのか、少しだけわかってくる。
・大まかな内容しか記載していなので、完全に理解するためにもっと調べたくなる。
・自分の地域にはどのような地域防災計画があるのかを調べてほしい。